改訂版
前出の項から、2007年と2008年に上梓されたトレヴィーゾ経済システムの誘引力に関するコラム”トレヴィーゾへの投資”改訂版が始まります。
既にお知らせいたしましたとおり、コラムの基本的な主旨はそのままですが、さらに重要で特徴あるマルカ(トレヴィーゾ)経済状況に関する簡潔な要約文を付け加えさせていただきます。
経済危機とあからさまな難題が当トレヴィーゾ県へも容赦なく及んでいる昨今にありながら、さらに深刻な局面に対しても、投資家的な視点からは、人的資源と経済的資源に関して当地域への吸引力を動機づけ得るポジテイブな要素について論じることが、トレヴィーゾ経済界では可能なのです。
年間レベルでの最新データの活用した統計的視点からの近況を、ここにご紹介いたします。
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添付表には、トレヴィーゾ・システムの誘引力係数の主なファクターを選んであります。ここで示されたデータは、論文『トレヴィーゾ・システム』掲載の当時の状況(2005年度計上データ)を参考として呈示したものと、現在状況(2011年度計上データ)です。
同表から明らかなとおり、状況はある一部のファクターのみが悪化していて(以前の状況での全ての貨幣価値データが、インフレを考慮するための修正が加わっているにもかかわらず)、いっぽう他のファクターは良化を示しています。つまり、経済危機がわが国に大打撃を与えたにもかかわらず、トレヴィーゾ県においてはマイナス・ファクターは僅少に留まり、最近3年間においての成長を妨げている程度にほぼ留まっていますが、5、6年前と比べた現状は総合的に多少良好といえましょう。
ネガティブ・ファクターは特に:
ー 家庭の消費支出額とその資産が、経済危機効果によって2005年に記録(2011年に修正)のデータに比べ、客観的に縮小した。
ー 雇用率の減少と失業率の増加、経済危機の及ぼす影響が雇用率(特に非常勤パートタイム)を確実に引き下げたためだが、トレヴィーゾの状況悪化はイタリア全土、またEU全体と比べれば非常に少ないことに注目すべきである。
僅少に悪化したが実質的には安定している分野については、このように位置づけられます:
- 住民所得、経済発展の主な指標を表し、それゆえ全体的に経済システムが(企業と官公庁の状況を考慮すると)個人生産分野での顕著な困難にもかかわらず、現状まで維持されている。
- 住民あたりの登録企業が、規模に関しては成長を示している。
つまり、製造業者数の増大でなく企業規模の拡大へと向かっており、ゆえにこの現象はポジテイブと考慮される。
最後に、明確に良化しているのは以下のファクターとなります。
ー 個人貯蓄額と貸付額(最新データは郵便貯金も含むが、この差は無視できない)。これは、個人貯蓄がさらに増加するので資金が金融期間へ流入し、製造業界への融資へとなっていくことを意味する。(最近数ヶ月にのみクレジット危機現象を起きており早期解決が期待されるが、つまるところこれはイタリア全土とEUの大半の国において見られる共通の難関である);
ー われわれの対外会計、輸出入ともに増加し、貿易額は常に堅調さを見せ、製造業界の申し分のない競争力を示す。大学と商業会議所との合同のリサーチによると、最近では輸出における傾向が成長しており、以前は国内市場のみに専念していた新興企業が、外国市場へ進出し始めている。
レナート・チャニアン
トレヴィーゾ・システム誘引力の主な係数ファクタ |
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テキスト・ファクター |
前回評価 |
現在評価 (3) |
元数値 (1) |
修正後 (2) |
住民所得(ユーロ単位) |
25.925 |
28.414 |
28.366 |
消費者の個人支出可能額(100万ユーロ単位) |
15.317 |
16.787 |
16.173 |
家族貯蓄額(1家族あたり・ユーロ単位) |
425.848 |
466.729 |
410.980 |
個人貯蓄額(ユーロ単位) |
11.952 |
13.099 |
29.635 |
個人借入額(ユーロ単位) |
29.841 |
32.706 |
39.914 |
輸出額(100万ユーロ単位) |
8.729 |
9.567 |
10.700 |
輸入額(100万ユーロ単位) |
4.768 |
5.226 |
6.541 |
輸出入貿易額(100万ユーロ単位) |
3.962 |
4.342 |
4.159 |
住民1人あたりの登録企業 |
11,1% |
- |
10,4% |
雇用率 |
65,7% |
- |
63,8% |
失業率 |
4,1% |
- |
5,2% |
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(1) - 2006年末計上のデータ(2005年度)
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(2) - インフレ効果を考慮した2011年の修正データ
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(3) - 最新計上データ(2011年度)
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